「そんなわけ……」
でも、信じたくない。
なのに……樹くんが消しゴムに突然『笑ってくんない?』って書いてきたことを思い出してしまった。
あれが、私をからからかうためのゲームなら……。
あの唐突で不自然な流れにも、納得がいく。
「今だって、そのゲームの延長戦だから!可哀想だよね、騙されてんのに、嬉しそうにしちゃってさぁ!」
「本当だよね、クスクスッ」
三枝さんの言葉に、女子たちが笑い出す。
それを聞きながら、私は頭が真っ白になっていた。
どうしよう、どうして。
信じてたのに、私をだましてたの?
ねぇ、教えてよ……樹くん。
今はいない、樹くんに、尋ねて真意を確かめたい。
そして、違うって言って欲しい!!
「樹くん………っ!!」
私はその一心で、更衣室を飛び出した。
そして、廊下を全速力で駆ける。
ただ一人、私が恋した人の姿を探して。


