それは、なんとなく心に引っかかる事があるから。
つい数時間前にした、亮くんと樹くんとの会話を思い出す。
『あ、それともあの罰ゲームがきっかけで、本気で好きになっちゃったとか!?』
『………関係ねーよ、それは。亮ちゃん、それ以上喋るなよ、分かったか?』
亮くんの一言に、樹くんはものすごい剣幕でそう言った。
あの時確かに、樹くんは焦って、何かを恐れているみたいだった。
あの時の事と、関係があるのかも…。
不安で、ズンッと胸が重くなった。
「じゃんけんで負けた人が、ビッチのアンタを笑わせるっていう、ゲーム」
「っ……!!」
一瞬にして、クラス替えの日の記憶が蘇る。
『なぁ、宇佐見!!』
『あ??』
『これから面白いゲームすっから、お前も来いよ』
『面倒くせー……嫌な予感しかしないんだけど?』
『まぁ、強制参加だから!』
『チッ』
舌打ちしながらも男子たちとじゃんけんをしていた樹くん。
この話が、段々と現実味を帯びてきた。


