次の時間、体育の授業で、私は更衣室へやってきていた。
一人、ポツンッとジャージに着替えていると、隣に誰かが立つ気配がした。
そっと顔を上げると、茶髪でクルクルと巻かれた髪を指で弄ぶりっ子のの三枝 美咲だ。
内心、またか……と思う。
「ねぇ、なんでビッチのくせに樹くんの事名前で呼んでるわけ?」
「……三枝さんには、関係ない」
「はぁ!?超生意気なんだけど!!」
ガンッと、肩をロッカーに叩きつけられる。
三枝さんの後ろには、ゾロゾロと派手な女子グループのメンバーが揃っていた。
私、前なら絶対言い返せなかった。
というより、言い返すとか言い返さないとか…そういうやりとりが面倒だった。
だけど、私が傷つくと、同じように傷つく人がいるって、気づいたから…。
「授業に遅れちゃうから、そこどいてくれるかな」
私は、もう黙ったままはやめるって、決めたの。
樹くんに出会って、私は少しだけ、強くなれた気がする。


