「俺の顔と体が目当てな奴らばっかだろ」
シレッとものすごい事を言う樹くん。
でもその瞳は切なげに揺れていた。
「俺の内面を褒めてくれたのは、お前が初めてだよ、七海」
「樹くん……」
あまりにも優しく見つめるから、それ以上何も言えなくなってしまった。
きっと人気者には人気者の悩みがあるんだろうな……。
それは私には想像できないけれど力になってあげたいな。
「私…樹くんにたくさん助けられた。だからね、苦しい時は、いつでも相談に乗るから」
「ハハッ、どーもな」
「それにね、樹くんはすごい人だと私は思うの!」
「おぉ、急に熱弁しだしたな」
面白そうに笑う樹くんにホッっとした。
良かった、笑ってくれた……。
「樹くんは、周りの目を気にせずに私の味方になってくれた…」
「そんなん、普通だろ」
「普通じゃないよ。それができるのは、勇気のあるごく一部の人達だけだから…。 だからね、樹くんはとても勇気がある人なの。私のヒーローだよ」
何度……その言葉に、笑顔に、手に、体温に助けられたのか、樹くんは知らない。
私がどれほど樹くんに感謝しているのかきっと知らないだろ。


