鏡を見ることは嫌いだ。
周りとは違う薄いローズピンク色の髪、琥珀色の瞳・・・。
見るだけで吐き気がする。
「こんな自分、大嫌い・・・・」
そう小さく呟き、トイレを後にする。
私は木下愛梨(キノシタ アイリ)。
私立高校に通う普通の高校2年生。
そう、本当に普通の高校生なんだ。
・・・髪色と瞳の色を除けば。
生まれた時から、この髪色に瞳の色。何でなのかは誰にも分からない。
『気持ち悪い』
『どうして』
『こんな子、私の子じゃない』
親からも周りの人達からも存在を認めてもらえない。
私のせいじゃないのに
私は何も悪くないはずなのに
――どうして誰も認めてくれないの・・・?