とりあえず、城の外へと一目散に長い廊下を駆け抜けた。
誰も追いかけてくる様子もなく、なんとか城の外に出た私は、その場にへたり込んだ。
城は、高い木のうっそうと茂る森に囲まれていた。
城の周りは、ぶどう畑だったはずなのに。
やっぱり私は、異世界に来てしまったようだ。
びりっと、布の裂ける音に私は、驚いて下を見た。
ハリネズミが、ワンピースのレースに引っかかってもがいていた。
「わあ、ごめん。」
慌てて、レースを取り除いてやると、ハリネズミは、私のスカートの上から、這い出した。
「ねえ、私って、どうしてこんな世界に来ちゃったんだろう。」
あそこにいたくないって気持ちのせいかな。
鼻をヒクつかせながら、黒いつぶらな瞳で私を見上げるハリネズミ相手に私は、呟いた。
「確かにそうだったけど、こんな形で叶うなんて・・。」
視界が、涙でにじんできた。
「お前、異世界から来たのか?」
「そうよ。悪い?」
「本当に本当か?」
「だから、そう言ってるでしょ!もう何度も言わせないでって・・え?」
驚いて、顔を上げると、目の前に一人の男の子が、座っていた。
黄緑色の瞳は、鮮やかなオリーブを思わせ、肩まである癖のない黒髪を一つに結わいている。
薄汚れた茶色いマントを着て、皮のブーツを履いた装いは、いかにも旅人といったいでたちである。
呆然とする私を見て、男の子は、悪戯っぽく微笑んだ。
「さっきは、助かったよ。おかげで命拾いした。あいつの目は、見るからにヤバかったもんな。」
「何の話?」
「俺は、さっきのハリネズミだよ。お前に助けてもらった。その証拠にほら。」
男の子は、さっきハリネズミがしていたように鼻をヒクつかせた。
「嘘ばっかり。信じられないよ。私のことからかっているんでしょ?」
人が、落ち込んでいる時にそんな冗談言わないで欲しい。
「疑り深いな。ちょっと、待ってろ。ほら。」
そう言った途端、男の子は、姿を消した。
誰も追いかけてくる様子もなく、なんとか城の外に出た私は、その場にへたり込んだ。
城は、高い木のうっそうと茂る森に囲まれていた。
城の周りは、ぶどう畑だったはずなのに。
やっぱり私は、異世界に来てしまったようだ。
びりっと、布の裂ける音に私は、驚いて下を見た。
ハリネズミが、ワンピースのレースに引っかかってもがいていた。
「わあ、ごめん。」
慌てて、レースを取り除いてやると、ハリネズミは、私のスカートの上から、這い出した。
「ねえ、私って、どうしてこんな世界に来ちゃったんだろう。」
あそこにいたくないって気持ちのせいかな。
鼻をヒクつかせながら、黒いつぶらな瞳で私を見上げるハリネズミ相手に私は、呟いた。
「確かにそうだったけど、こんな形で叶うなんて・・。」
視界が、涙でにじんできた。
「お前、異世界から来たのか?」
「そうよ。悪い?」
「本当に本当か?」
「だから、そう言ってるでしょ!もう何度も言わせないでって・・え?」
驚いて、顔を上げると、目の前に一人の男の子が、座っていた。
黄緑色の瞳は、鮮やかなオリーブを思わせ、肩まである癖のない黒髪を一つに結わいている。
薄汚れた茶色いマントを着て、皮のブーツを履いた装いは、いかにも旅人といったいでたちである。
呆然とする私を見て、男の子は、悪戯っぽく微笑んだ。
「さっきは、助かったよ。おかげで命拾いした。あいつの目は、見るからにヤバかったもんな。」
「何の話?」
「俺は、さっきのハリネズミだよ。お前に助けてもらった。その証拠にほら。」
男の子は、さっきハリネズミがしていたように鼻をヒクつかせた。
「嘘ばっかり。信じられないよ。私のことからかっているんでしょ?」
人が、落ち込んでいる時にそんな冗談言わないで欲しい。
「疑り深いな。ちょっと、待ってろ。ほら。」
そう言った途端、男の子は、姿を消した。
