長身の体を仕立てのいいスーツで包んだ姿は見栄えよく、切れ長の目と、薄いながらも色気のある唇は、女性の視線を惹きつけるには十分だ。

「あのキレイな手で頭を撫でられたら、うれしくて泣いてしまいそう」

「撫でられるどころか、見つめられるだけで立っていられないよね」

ひそひそと、そしてふわりとした色味のある声が、再び聞こえた。

彼女たちの会話に心の中で頷いている女性社員は、きっと多いはずだ。

私もその例外ではなく、彼女たちの言葉に同意するように瞬きを繰り返した。