『………………』

「母ひとりで子供育ててく大変さ…ウチラは間近で見てるじゃん?」

『うん………』


あたしもアリサも、母子家庭で育ってきたんだから、その苦労は分かってるつもりだった。

でも…結局あたしは甘ったれてたんだよね。


「そのお金は…幸恵のお母さんとお父さんが残してくれた大事なお金でしょ?」

『うん…』

「孫の為に使ってくれるなら、おばちゃん達もきっと幸せだよ!」

『うん…』



自分の子供さを改めて思い知った。


“赤ちゃんを守りたい”と言ったあたしは、

それよりもずっと大きな手の中で守られていたんだ。