「幸恵、これを渡しておくわね」

『なぁに??』


あたし名義の少し古びた通帳を開くと、17歳のあたしには目の飛び出る金額が記してあった。

『これ……!?』

驚きの表情のままお母さんに聞き返した。



「お父さんが亡くなった時にね…少しだけど保険金が入ってたの」