赤い血が地面に広がって、

そんな想像をしていたから拍子抜けだった。


女子生徒は、床に倒れていて。
ただ眠っているだけのようだった。


生きてる…よな?


確認するために、自分の手を、彼女の口元へ近づける。


良かった。ちゃんと息してる。


「大丈夫ですか?おーい!」

軽く肩を揺すりながら声をかけるも返答はない。
どうしたものか、保健室に運んだりした方が良いんだろうけどなんせ僕一人で運べる気がしない。


誰か他に人はいないか見渡すも、早朝なので、まったく人がいない。
校舎内にはきっと先生がいるだろうが。


「おーーい!大丈夫ですか?おーい」


もう一度声をかけて背中を叩く。


「…ん」


薄っすらとゆっくりと、目が開く。