蝉の声が、耳に痛い早朝。

高校一年、夏休み初日。
僕は朝練のため学校に向かっていた。


正門をくぐり、ふと校舎を見ると、屋上の端に女子生徒が立っている。



これは、大丈夫じゃ、ないよな。



走り出す間もなく、女子生徒は一歩、前へ踏み出した。