『はい、コーヒーお待たせしました。』

碧くんの前に置くと、そのまま腕を引っ張られる。

『何?!』

碧くんは無表情のまま。

「やだ。他の男に笑うな。」

なんで別れた男にそんなこと言われなきゃいけないの?

付き合ってるときには一度も言ってくれたことないくせに!

『私達、別れてるよね?別れたあとに束縛発言って…付き合ってるときに言ってくれたら、嬉しくてしょうがなかったと思うけどね。』

またまたびっくりしてる?

「言ってよかったのか?」

『はい?』

「他の男に笑うな、仲良くしゃべるな、毎日一緒にいろ、オレだけ見ろ…。」

『ちょ、ちょっと…。』

今、バイト中!

「…そう、言ってよかったのか?」

えっ?

そんなこと考えてたの?

軽くパニックになる私。

「彗ちゃん、二階使っていーよー?ちゃんと話し合いなさい。」

紅さんが私達を見ながら、笑顔で言ってくれる。