「小野寺」




黙々と雑巾を洗っていると
当然、奥元から声をかけられた。





「ん?」




私は彼の顔を見ずに耳だけを傾けていた。




「俺さお前の事好きなんだ。」





蛇口を止めて奥元はいつも
声が明るくて青年っぽい声だったけど
今はまさに男性の低い声で言った。