一緒にいても楽しくないじゃん?

そこは大きな窓のある階段だった。
私より少し上の段にいた男の子が、私の横を去って行く。
窓からは青空と桜が散って新しい葉がはえだした木が見えた。

「舞...舞...舞!!」
誰もいないはずなのに名前を呼ばれた。
次の瞬間、いきなり目の前の桜の木がぐにゃりと曲がった。
何が起きたのかと分からずにいると目の前になつきが現れた。
「寝ぼけてる?そろそろ担任来るよ!!」
なつきは笑っていた。
周りを見るとさっきまでいたはずの英語教師の深山がいない。
どうやら私は最後の授業を寝過ごしてしまったようだ。
椅子の上で伸びをしているとドアが開き、担任の岩瀬が入ってきた。
やっと放課後か 今日も1日長かったな...