☬あおむしは見た・携帯電話 ❤

 夢中で食べているぼくの耳に何か低い音が入ってきた。

音のする方を見ると、霧の中から二つのライトが現れ、ゆっくりとこちらに近づいて来る。自動車のライトだ。

その車はぼくがいる木の近くまで来て停止し、中から若い女の人が降りて来た。その女の人は辺りをきょろきょろ見回している。

そして運転席から出て来た男の人に向かって言った。

「あおむしさんっていう人、いったい何処にいるのかしら?」

 ぼくですかぁ、ここにいますよ、ここに。でも、聞こえないか・・・・。しょうがないよな、人間とは直接話せないんだから。

「この霧じゃあ、わからないな。えり、ちょっと待ってみよう」

えり?そうか、昨晩のぴーひゃらの人たちか・・。

「あれ、なにかしら?」

えりさんがケイタイの山に気が付いて歩み寄った。

「ねえ武、こんなに沢山じゃあわからないわね・・・」

ぼくも気になってケイタイの山の近くまで這って行った。