キキーッ……
耳障りな音。
「うっ」
「美織っ!」
父と母の苦しそうな声。何が起きたのか考える間もなく、美織は母から強く強く抱き締められた。衝撃を感じたような気がした。
「動いた!生きてるぞ!」
「子供か!?」
「大丈夫か!?」
サイレンの音。知らない男の声。ぬるりとした感覚があって、恐る恐る手を見ると、真っ赤に染まっていた。
美織は叫んだ。どうしたらいいのかわからなかった。怖くて仕方がなかった。
***
「おい!?大丈夫か?」
美織は目を開けた。目覚めは最悪だった。熱を出した時に決まって見る夢だが、何度見ても慣れることはない。熱のせいだけではない嫌な汗をかいていた。
「ずいぶんうなされてたな」
「健ちゃん……」
心配そうな健一の顔。きっと伊織が呼んだのだろうと思った。熱を出した美織を家で一人にしておくのは不安だったのかもしれない。
「何か食えそうか?」
「……いらない」
「無理にとは言わないが、ゼリーも買って来たから、落ち着いたら食えよ。栄養つけないと治らないからな」
近くにあったタオルで汗を拭いながら、健一が幼い子供に言い聞かせるように言った。
「結構汗かいてるな。もうすぐ伊織が帰ってくる時間だから、汗拭いて着替えさせてもらった方がいい」
「もう、そんな時間?」
「ああ。引っ越してからずっとバタバタしてたし、疲れてたんだろ。熱下がっても、明日は大事とって休むように。長引いたら大変だからな」
「うん」
パジャマが湿っぽい。髪の毛も首筋にぴったり張り付いていて、気持ちが悪かった。それでも、健一から頭をなでられると安心してまぶたが重くなってきた。うとうとしているうちに美織はまた眠りに落ちた。
耳障りな音。
「うっ」
「美織っ!」
父と母の苦しそうな声。何が起きたのか考える間もなく、美織は母から強く強く抱き締められた。衝撃を感じたような気がした。
「動いた!生きてるぞ!」
「子供か!?」
「大丈夫か!?」
サイレンの音。知らない男の声。ぬるりとした感覚があって、恐る恐る手を見ると、真っ赤に染まっていた。
美織は叫んだ。どうしたらいいのかわからなかった。怖くて仕方がなかった。
***
「おい!?大丈夫か?」
美織は目を開けた。目覚めは最悪だった。熱を出した時に決まって見る夢だが、何度見ても慣れることはない。熱のせいだけではない嫌な汗をかいていた。
「ずいぶんうなされてたな」
「健ちゃん……」
心配そうな健一の顔。きっと伊織が呼んだのだろうと思った。熱を出した美織を家で一人にしておくのは不安だったのかもしれない。
「何か食えそうか?」
「……いらない」
「無理にとは言わないが、ゼリーも買って来たから、落ち着いたら食えよ。栄養つけないと治らないからな」
近くにあったタオルで汗を拭いながら、健一が幼い子供に言い聞かせるように言った。
「結構汗かいてるな。もうすぐ伊織が帰ってくる時間だから、汗拭いて着替えさせてもらった方がいい」
「もう、そんな時間?」
「ああ。引っ越してからずっとバタバタしてたし、疲れてたんだろ。熱下がっても、明日は大事とって休むように。長引いたら大変だからな」
「うん」
パジャマが湿っぽい。髪の毛も首筋にぴったり張り付いていて、気持ちが悪かった。それでも、健一から頭をなでられると安心してまぶたが重くなってきた。うとうとしているうちに美織はまた眠りに落ちた。

