「気合い入ってるな、伊織」
健一の声に伊織は手を止めて振り返る。
「色々ごめん、健兄」
「気にすんなよ。俺もどっかで、伊織に続けてほしいと思ってたからな」
「ありがとう。今、すごく楽しいんだ」
「よし、相手するかな」
「ほんと?助かるよ」
しばらく型稽古をした後で、健一はタオルで汗を拭きながら伊織に問う。
「にしても、いいのか?明後日なんて……」
伊織は龍虎にもう一度話がしたいから、道場に来てほしいと電話していた。指定したのは明後日。しばらく剣術から離れていたことを思えば、健一が心配するのも無理はない。
「本当はすぐにでもこの家を出なきゃいけない。それに、龍虎様が当主になったことがみんなに知らされるのも、時間の問題だろ?
門下生のみんなにも剣を見せて、自分の気持ちを伝えたい。男だって偽ってたことも、結局謝ってないから、まずは謝りたい」
急がないと、間に合わないかもしれない。完全に鷹栖流との関わりが切れてしまったら、どうすればいいかわからない。
伊織はこれからも鷹栖流の一員でいたかった。鷹栖流から離れる意思はないと早く龍虎に伝えなければいけない。
伊織は持ってきていたミネラルウォーターを飲んで立ち上がった。
「健兄、久々に本気できてよ」
「本気って……」
「負けないから」
伊織は強い目をしていた。伊織と打ち合うのは久しぶりだが、手を抜いたほうが失礼だろう。それに、伊織が本気でやるのなら、健一も本気でやらないと怪我をしかねない。
「なあ、伊織」
「ん?」
「ごめんな、今までずっと。俺ら、伊織に甘えてたよ。伊織が強いから、辛いこと全部任せてた。いつまでもごまかせるもんじゃないってわかってたのに、何もしようとしなかった」
「健兄は悪くないよ」
「まあ、伊織はそう言うよな。ただ、悪かったと思うから、全力で協力する。……負けるなよ、伊織」
伊織は静かに頷いた。
健一の声に伊織は手を止めて振り返る。
「色々ごめん、健兄」
「気にすんなよ。俺もどっかで、伊織に続けてほしいと思ってたからな」
「ありがとう。今、すごく楽しいんだ」
「よし、相手するかな」
「ほんと?助かるよ」
しばらく型稽古をした後で、健一はタオルで汗を拭きながら伊織に問う。
「にしても、いいのか?明後日なんて……」
伊織は龍虎にもう一度話がしたいから、道場に来てほしいと電話していた。指定したのは明後日。しばらく剣術から離れていたことを思えば、健一が心配するのも無理はない。
「本当はすぐにでもこの家を出なきゃいけない。それに、龍虎様が当主になったことがみんなに知らされるのも、時間の問題だろ?
門下生のみんなにも剣を見せて、自分の気持ちを伝えたい。男だって偽ってたことも、結局謝ってないから、まずは謝りたい」
急がないと、間に合わないかもしれない。完全に鷹栖流との関わりが切れてしまったら、どうすればいいかわからない。
伊織はこれからも鷹栖流の一員でいたかった。鷹栖流から離れる意思はないと早く龍虎に伝えなければいけない。
伊織は持ってきていたミネラルウォーターを飲んで立ち上がった。
「健兄、久々に本気できてよ」
「本気って……」
「負けないから」
伊織は強い目をしていた。伊織と打ち合うのは久しぶりだが、手を抜いたほうが失礼だろう。それに、伊織が本気でやるのなら、健一も本気でやらないと怪我をしかねない。
「なあ、伊織」
「ん?」
「ごめんな、今までずっと。俺ら、伊織に甘えてたよ。伊織が強いから、辛いこと全部任せてた。いつまでもごまかせるもんじゃないってわかってたのに、何もしようとしなかった」
「健兄は悪くないよ」
「まあ、伊織はそう言うよな。ただ、悪かったと思うから、全力で協力する。……負けるなよ、伊織」
伊織は静かに頷いた。

