高嶺が目を見開き、あたしを見上げている。
プリンスの仮面も、意地悪な仮面も、あんたには似合わないんだよ。
「あたし、引かないから!
高嶺があたしの前で本心を見せるまで。
どんなに仮面かぶったって、高嶺の本心見つけてやるんだから……!」
「──つかさ」
不意に名前を呟かれ、そこではっと我にかえる。
目の前には、あたしをまっすぐ見上げる高嶺。
そして、その高嶺に、あたしは馬乗りになっていて──。
一瞬にして、この状況を認識したあたしの体全体に熱が走る。
「……っっきゃぁぁぁ!」
叫び声を上げるが早く、あたしは飛び退くと、逃げるように保健室を駆け出た。
羞恥心に背中を押されるように、廊下を駆ける。
あたしってば、あたしってば、なにしてるのーっ!
必死になりすぎて暴走して、あんな体勢になっていたこと、まったく気にしてなかった。
しかも、ベラベラ変なこと口走ってたし……!
まだ熱い頬に両手を当て、下唇を噛む。
……でも、たしかに本心だった。
あたしが言ったこと、全部、嘘じゃなかった。


