【完】素直じゃないね。



「なにして……」


「なんで、なんであたしにまで仮面を被るの……っ」


「え……」


わかったよ、あたし。

高嶺が、意地悪な仮面を被ったこと。


そしてそれが、いじめられないようにあたしを遠ざけるためだってことも。


きっと、体育の時に起きたことを、高嶺はどこかで知ったんだろう。


「あたしに嘘つこうなんて、無駄だから……っ。
だって、高嶺が不器用で意地悪だけど本当は優しいってこと、あたしは知ってる」


高嶺は小言や意地悪を言いながらも、何度も助けてくれた。


「あたしは、本当の高嶺がいいの。
だから、あたしにくらい本当の高嶺でいてよ……!」