【完】素直じゃないね。



不安にさせないように振る舞うけど、乃亜の心配は拭いきれなくて。


「でも……」


「じゃあ、保健室で洗い流して、ちゃんと手当してくる。
だから、心配しないで?」


「それなら私が一緒に……」


「いいよ、乃亜。
だって乃亜、血苦手でしょ?
ちょちょっと絆創膏でも貼ってくるから、ね?」


心配性で優しいところも、本当に限りなく天使だ。


でも、その優しさで十分。

ちゃんと受け取ったから。


微笑みかけると、乃亜が潤んだ瞳であたしを見つめた。


「ほんとのほんとに大丈夫……?」


きゅううううん。


潤んだ瞳は反則です、乃亜さん……!


爆弾だ。 爆弾級の破壊力だよ、これ。