【完】素直じゃないね。



……こ、これは、キスする感じ……!?


「ちょっ、悠月! こんな外で……!」


「だれもいねぇよ」


そうだけど、そういう問題じゃないから……っ!


気づけば、悠月の唇はもうすぐそこで。


ま、ま、待って……!


──バッ。


「…………なんだよ、これは」


ぎゅうっと目をつむっていると、悠月の不機嫌極まりない声が聞こえて来て。


目を開ければやっぱり、至近距離に、怒りマークをつけた悠月の顔。


「あ、あは……」


〝これ〟

悠月がそう言ってるのは、あたしの顔の前に構えたスクールバックのことだ。


だ、だって、キスなんて無理だよ……!


たしかに、一度はされたことあるけど……。

あれは不意打ちだったし。


男が苦手なあたしに、キスなんてハードル高すぎる。


悠月に対しては大丈夫って思ってたけど、やっぱり無理だ。


今だって心臓壊れそうだし……。

絶対、顔真っ赤だし……。