「三度の飯より、乃亜が大好物。
素直じゃないし、可愛さの欠片もありません。
だけど、ずっとずっと好きな人がいます」


あんなに自分を叱咤したっていうのに、気づけば涙声でぐずぐずになっていた。


「行きたい方に行け。そいつがそう言ったから、ここに来ました。
あたしが一緒にいたいと思うのは、幸せにしたいと思うのは、傷つけたくないと思うのは、全部全部、高嶺なんです」


伝えたいことが次から次へとあふれ出して、ちゃんと言葉になっているかわからない。


だけど、伝えたいことはひとつだけ。


あたしは下唇を噛みしめると、涙声で高嶺の背に思いの丈をぶつけた。


「もしよかったら、あたしと恋をしてくれませんか……っ」


遠回りばっかりしてしまったから。

もう一回、始めよう。