【完】素直じゃないね。



ほんとは、離したくない。

だれにやりたくない。

ずっと隣にいてほしい。

だれより、幸せにしてやる自信がある。


でもやっぱり最後には、あいつの意思を尊重してやりたいという思いが、なによりも勝った。


つかさと出会って、俺はいろんな感情を知った。


ちゃんと本心で向き合うこと。

それを教えてくれたのは、つかさだった。


つかさが俺の仮面を剥がしてくれたから。

つかさが俺の存在を見つけてくれたから。

だから俺は、自分を取り戻せた。


ほんとは、一度でいいからしてほしいことがあった。


でも多分、それをされたら、もうこの気持ちに諦めがつかなくなりそうで、口にしなかった。


素直じゃねぇからって、愛想尽かされんなよ。

男嫌い治せよ。

さっきだいぶ寒そうだったけど、風邪引くなよ。

登下校、着いてきてもらえよ。


あーあ。本気だったな。

この気持ちにケリがつく日なんて、くるんかな。


空を仰げば、夕暮れが眩しくて、俺は感傷的な笑みをそっと唇に乗せた。