「俺の気持ちは伝えたから。
お前は、なにも考えず行きたい方に行けよ。
それが俺の望み」
「高嶺……」
「俺は、お前が笑ってなきゃ意味ないみたいなんだよね」
するとつかさはぎゅっと下唇を噛み、手提げ袋の持ち手を握りしめ。
そして、くるっと踵を返すと、駆け出す。
まるでなにかに引っ張られるように。
その後ろ姿を見つめながら、心の中で訴えかける。
望む道へ、迷うことなく行け。
だれよりも、幸せにしてもらえ。
でももし足を止めて振り返ってくれるなら。
それなら、すべてをかけて幸せにしてやる──。
だけど。
つかさは、一度も振り返らなかった。


