【完】素直じゃないね。



どこで、どうして。

さっきのあいつに聞いても答えは聞き出せなそうだったから、保健室に向かうのが一番早い。


頭では理解していても、こんなに焦っているのは、嫌な予感がするから。


走っても走っても、水を蹴っているかのように、前に進んでいないような感覚。


大切なものを失う恐怖が、心を冷やす。


つかさがいなくなったら。

つかさまで失ったら俺は……。


やがて、保健室までやってくる。

そしてドアを開けようと、取手に手をかけたところで。


「日吉さん、この様子だと寝不足ね」


中から、だれかにそう伝える保険医の声が聞こえてきて、俺は少しドアが開いていた保健室の前で足を止めた。


寝、不足……?

……ったく……脅すな、あのばか!


はーっと、怒りと呆れが入り混じったため息をつくと。


「それならよかったです」


中から聞こえてきた、もうひとりの声。