【完】素直じゃないね。



◇ 高嶺side






「高嶺! 日吉さんが倒れたって!」


つかさが倒れたと、顔を真っ青にして教室に転がり込んで来たクラスメイトから知らされたのは、教室に戻って少し経ってからだった。

机に座り、次の授業の準備をしていた俺は、手を止めてそいつを振り返る。


「は……っ?」


「今、運ばれて保健室にいるらしい……っ。
人づてに聞いたからよくわかんねぇんだけど、学級委員長には言っておいた方がいいと思って」


「……っ」


ドクンと、心臓が嫌なふうに鳴る。


最悪な事態ばかりが、頭をよぎって。


「高嶺……!」


近くで一緒に話を聞いていた宙の、俺を呼ぶ声に背中を押されるように、返事をする間も無く、気づけば俺は教室を駆け出ていた。


さっきまで、あいつ普通だったのに。

桜庭とどこかに消え、その後、倒れたんだろう。