【完】素直じゃないね。



心臓が、落ち着きを取り戻せない。

頭が、混乱している。


高嶺がなにを考えているのかわからない。


歩いても歩いても、前に進んでる感覚がない。


「つっちゃん」


廊下を歩きながら、充樹先輩が声をかけて来る。


ぼーっとしてたあたしは、その声にはっと我にかえる。


「……っ、はい」


「来週の日曜、空いてる?」


「え? 空いてますけど……」


この状況にそぐわない話題に、戸惑いながら返事をすると、充樹先輩が肩越しにこちらを振り返った。


その顔には、さっきまでの張りつめた表情とは一転、穏やかな笑みが乗っていて。


「じゃ、デート行こうか」