「うん、高嶺だけど」
そう言いながら、よっこいしょと立ち上がる高嶺。
「こ、こんなとこでなにしてんの?」
「お前のこと待ってたんだよ」
「え?」
予想外の言葉に、思わず固まる。
あたしを待ってた?
「他の奴に送らせたくないから」
「なっ、」
「ほら、帰んぞ」
ちょ、ちょっと待って……!
ひとりで話をつけて歩き出す高嶺の後を、慌てて追いかける。
「でも、高嶺、家反対だし……っ」
「こんな時間に、ひとりで帰らせらんない」
高嶺はあたしのことなんて気にせず、歩を進める。
もう、強引だなあ……。
こうなったら、あたしがなんて言おうと、聞く耳を持たないんだろう。
「じゃあ……お願い」
観念してそう言えば、高嶺は少しだけトーンを上げた声で「ん」と返してきた。


