「ち、違うの?」
「ひとりになりたかったから、ここに来ただけだけど」
そ、そうだったの……!?
じゃあ全部勘違いってわけ?
「はぁ……」
力が抜けて、あたしはへなへなとその場に座り込んだ。
はぁはぁ、と乱れた呼吸を整えていると、不意に高嶺があたしの前にしゃがみ込んだ。
「兄貴の命日だから?」
「うん。宙くんに聞いて……。
よかった。あたしの早とちりで……」
ほんとに、よかった……。
「朝陽さんのこと、考えてたの?」
そっと訊くと、高嶺が口を噤んだのがわかった。
それが肯定を意味しているのだと、理解する。
少し間を置いて、
「……兄貴は」
ふと、高嶺が声を落とした。


