【完】素直じゃないね。



心にしみるような沈黙が訪れる。


なにか言わなきゃ……。


この沈黙をいち早く破りたい。


喘ぐように口を開くあたしを見て、

「……っ、つかさ、」

なぜか高嶺があたしの名を呼んだ。


まるで口を開くあたしを、引き止めるかのように。


でも、そんなこと気にしていられなかった。


喉を締められているかのような感覚に陥りながらも、あたしはやっとのことで声を振り絞った。


「は、はじめまして。
高嶺のクラスメイトの日吉つかさです」


美織さんに向かってそう言うと、美織さんはなぜか一瞬、大きな瞳を見開いた。


「あなたが、つかささん……」


なにか呟いたかと思うと、すぐににこっと目を細めて微笑み、その小さなピンク色の唇を開いた。


「はじめまして、野原美織です。
アサヒがいつもお世話になっています」


「……え?」


思わず訊き返していた。


アサヒ……?