【完】素直じゃないね。



『飲み物買ってくるって別れたきり、日吉ちゃん帰ってこなくて……。
それで捜したら、スマホだけが落ちてて……。
日吉ちゃんになにかあったんじゃって、心配で心配で……』


「……っ」


そういえば、今日宙たちは遊びに行くって言ってた。


「今どこにいるんだよ」


『最近できた遊園地……』


遊園地か。

偶然にもさっきまでそこにいたから、行き方は把握している。


「わかった、俺も探す。
今行くから、待ってろ」


『うん』


俺はスマホをしまうと、すぐさま美織に向き直った。


「悪い、美織。
急用ができたから、今日行けねぇわ」


言うが早いか、踵を返して元来た道を走り出す。

いや、言いながらもう踵を返していた。


深く考えるよりも先に、体が勝手に動いていた。


「あっ、待って……」


美織の呼び止める声は、走り出した俺にはもう届かなかった。