あたしは気力を振り絞ってなんとか歩き、近くのベンチに座った。 乃亜に電話しなきゃ……。 ふたりと別れて時間が経ってしまった。 心配をかけていたら申し訳ない。 スマホを取り出そうと、スカートのポケットを探ったあたしは、徐々に背筋が凍りついていくのを感じていた。 うそ、スマホがない……。 何度探してみても、ポケットの中の手がスマホの感触に辿り着くことはなくて。 ここに来るまでのどこかで落としてしまったんだ、きっと……。