【完】素直じゃないね。



歩けば歩くほど、目の奥が痛んで。

ついに、耐えきれずぽろりと一粒涙がこぼれれば、堰を切ったように次から次へと涙が頬を流れた。


行き交う人に顔を見られないよう、歩く足を速める。


……なんで高嶺のことなんて好きになっちゃったんだろう。


高嶺に彼女がいるってわかってたら、好きになってなかったのかな……。


ううん、多分無理だ。

どうしてたって、高嶺のことを好きになってた気がする。


いっそ嫌いになれたら楽なのに、好きって気持ちは一向に消えてくれない。


……ねぇ、高嶺。

あたしはどうすればいいのかな。

あたしの心は、どこへやったらいいのかな。


美織さんになりたい。

高嶺の隣を、なんの理由がなくても歩けるようになりたい。


「ふっ、うぅ……」


歩きながら涙を拭っていると、思わず声がもれた。


次から次へと流れる涙が、両手ではもう拭いきれない。


片想いでいい。

そう思ってたはずなのに、こんなにも片想いが苦しいなんて。