【完】素直じゃないね。



軽く食事をとることにしたあたしたちは、露店でドリンクとハンバーガーを買い、近くにあったパラソルのついたテーブルに着いた。


「いただきまーす」


声を揃えて言い、ハンバーガーにかぶりつく。


「みんなで食べるとおいしいねぇ」


ほわほわと笑う乃亜が可愛くて、あたしの表情筋まで溶ける。


「おいしいねぇ〜」


ふたりでにこにこしながらハンバーガーを食べていると、宙くんが乃亜の方を見て「あ」と声をあげた。


「はは、乃亜。ほっぺにソースついてるよ」


「え、うそ!」


「とってあげるから、こっち向いて?」


乃亜の頬についたソースを、そっと指で拭う宙くん。


「よし、とれた!」


「えへへ、ありがとう、宙くんっ」


な、なんだ、この天国は……。


食べかけのハンバーガーを持ったまま、思わず目の前のやりとりを凝視してしまう。


このいとこといると、心がお花畑みたいに穏やかになる。


みんながこのふたりみたいな心を持ったら、地球上から争いごとはなくなるんだろうな……。

乃亜と宙くんがいるこの世界、ありがとう……。


じんわりと幸せを噛みしめながら、あたしは残りのハンバーガーを食べた。