【完】素直じゃないね。



──バンッ。


顔のすぐ横で聞こえた打撃音に、あたしは反射的に振り返った。


その目が、眼前の光景を映した途端、一瞬にして見開かれた。


だって、高嶺が壁に手をついて、あたしを壁との間に閉じ込めていたのだから。


もう、すぐ近くに高嶺の顔がある。


だけど、長めの前髪の陰になって、高嶺の目は見えない。


「高、嶺……」


「つかさは知らなくていい」


「……え?」


「おまえには言いたくない」


「……っ」


完全な拒絶だった。


有無を言わせない、冷たい声。


なにか言い返そうにも、喉が締めつけられているみたいに声が出ない。


ねぇ、高嶺。

今、どんな目をしてるの……?