【完】素直じゃないね。



「朝っぱらからなにしてるんですかっ。
充樹先輩とはいえ、男の人にあんなことされると困るんですけど!」


それに、今はまわりに人がいないからいいものの、こんなとこ見られたら、どんな誤解をされるか。

想像しただけでも恐ろしい。


「だってさー、つっちゃんの髪が綺麗なのが悪いんだよ。
触れたくなるじゃん」


「なんであたしのせいになってるんですか」


責任転嫁にもほどがある。


ジト目で睨むと、てへ、というように頭をかきながら舌を出す充樹先輩。


「ごめんごめん。
ちょっと調子乗りすぎました」


「ほんとですよ」


腕を組みしかめっ面をしていると、充樹先輩がふと瞳に真剣な光を灯した。

そして穏やかな微笑を口に乗せる。


「でもさ、ポニーテールが似合ってるっていうのは、本気。
だからさ、これからもしてよ。
つっちゃんのポニーテール、見たい」


「……っ」


……我ながら単純だとはわかってますとも。

だけど、褒められることなんてないから、ついね。