【完】素直じゃないね。



一連の動きがあまりにも自然で、一瞬反応が遅れる。


理解が追いついた途端、ボッと体に熱が走る。


「……なっ」


い、今、髪に……っ。


「髪にだったら、いいでしょ?」


髪に口を寄せたまま、充樹先輩が色っぽい上目遣いでこちらを見てくる。


「だ、だめっ」


場所が問題じゃなくて、充樹先輩の行動が問題なんですけど……!

この人、あたしが男嫌いだってこと忘れてないっ?


すると、わざとふてくされたように頬を膨らませる充樹先輩。


「ちぇー」


充樹先輩のいつもの振る舞いに、暴れていた心臓が徐々に落ち着きを取り戻していく。


充樹先輩って、時々どうしようもなくドキドキさせてくるから、油断ならなすぎる。