【完】素直じゃないね。



「変、ですかね」


あははと頭をかいて笑うと、充樹先輩が微笑んだ。


「ううん、超可愛い、それ」


「えっ」


予想外の反応に、思わずたじろぐ。

可愛いなんて、言われ慣れてなさすぎる言葉だ。


「ポニーテール、めっちゃ好きなんだ」


「へー! 初耳」


「つっちゃん。ポニーテールにはねぇ、男のロマンが詰まってるんだよ」


「は、はは……」


思わずわかりやすい苦笑いをしてしまう。


うん、そういえばこの人変人だった。


すると、充樹先輩がいつもより熱を帯びた目であたしを見上げた。


「髪、触っていい?」


「えっ」


「ま、いいって言われる前に触るけど」


首の横をするりと通り抜け、充樹先輩の手があたしの髪に触れた。


そして手慣れた動きで髪を手に取り、端正な顔を寄せたかと思うと、そこに軽く口づけをした。