太陽の光を背に受けて、男の人が笑っていた。
色素の薄い茶色い髪が、キラキラとオレンジ色に光っている。
直視してなかったからわからなかったけど、よくよく見れば、とてもかっこいい人だ。
垂れ目がちで、纏った物腰柔らかそうな雰囲気と整った顔立ちは、女子にすごくモテそうだという印象を受ける。
「はじめまして、俺、桜庭充樹 (さくらば みつき)。高3。
君の名前は?」
「日吉つかさ、高2です」
先輩だったんだ、この人。
たしかに、身に纏う雰囲気が、大人びているような気は薄々していた。
「つっちゃんは、どうしてこんな時間に図書室に来たの?」
つ、つっちゃん……?
いかにも前から呼んでたみたいに、当たり前のようにあだ名で呼んでくる桜庭先輩。


