「早くよくなってね……」 祈るように小さな声でそう呟いて立ち上がった、その時。 家の中から話し声が聞こえてきて、ビクーンッと心臓が跳ね上がる。 その声はだんだんとこちらへ近づいてきて。 だ、だれか出てくる……っ! 慌てて逃げるように走りだし、家の塀の裏に隠れる。 と、次の瞬間。ガチャンと音を立てて家のドアが開いた。 そーっと覗くと、家の中から出てくる女の人の後ろ姿が見えた。 胸のあたりまである茶色の髪は、ふんわりとウェーブしてあって、後ろ姿なのに美人だということがわかる。