【完】素直じゃないね。



辺りを見回しながら、人がいない場所を探す。


でも、どこも人であふれかえっていて。


いつの間にか、高嶺の手を握る手に力がこもっていた。


「……ごめんね、高嶺」


人をかき分けながらあたしの口をついて出ていたのは、弱気な謝罪の言葉。


「は? なにが?」


「高嶺と釣り合うような子だったらなって。
女子達に見つかっても、なにも言わせないくらいの子だったら良かったのに。
そしたら、高嶺にお面なんて着けさせずにすむじゃん……」


しゅんとうつむいたその時、突然ぐいっと手を引かれたかと思うと、強引に高嶺に向き合わされた。


「……っ」


人混みの中、あたし達だけになったような感覚に陥る。


高嶺が握る、手が熱い。