「……やる」
素っ気なく言い放つと、早く受け取れと箱をちょいちょいと上下に揺らす。
(やるって……)
本当にもらっていいのかと、訝しみながらも小箱を受け取りリボンと包み紙を解いていく。
パカっと箱の蓋を開けると、闇夜の中で一際輝く光に眼が眩みそうになった。
「これ……」
なんて素敵なネックレスだろう。
ゴールドチェーンの中心、ペンダントトップには新緑を思わせる鮮やかなエメラルドとそれを囲うようにダイアモンドが散りばめられていて、地上に降る星の輝きを凝縮したような美しさだった。
「も、もらえません!!」
私は慌てて蓋を閉じて、丁重に箱を突き返した。
「どうしてだ?」
そう尋ねる一色社長の声がこれまで聞いたことがないほど冷たくて、恐ろしくて顔が上げられない。
「もらう理由がありませんから……」
これはまるで……恋人に贈るプレゼントのようだ。
そんなものもらってしまったら最後、一生頭が上がらなくなってしまう。
「花の苗は受け取るくせに、ジュエリーは受け取らないのか?普通、逆だろ?」
「単価が違います!!」
「ほほう、値段が安ければいいのか?」
からかうような屁理屈の応酬に、二の句が継げなくなってしまう。
ああいえばこういう!!



