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「お金がないよおおお!!」

私はそう叫ぶと預金通帳を掴んだまま、自室のベッドの上をごろごろとのたうち回った。

(ううっ……。これからどうしよう……)

残高がほぼゼロの通帳を目の前にして、私は途方に暮れていた。

新卒で入社したばかりの会社がたった半年で倒産の憂き目にあったのは、本当に不運な出来事であった。

お給料が少ないなりに慎ましく懸命に働いていたというのに、当てにしていた定期収入はもはやゼロ。

半年前まで学生の私にはまとまった預金も、転職に有利な資格などもあるはずがない。

……再就職活動は困難を極めていた。

次の引き落とし期日までに家賃が払えなければこの安アパートだって引き払わなければならない。

(一体どうしろと……!!)

己の境遇を哀れに思いううっと枕を涙で濡らしていると、ベランダからそよそよと穏やかな風が吹き込んでくる。

(そうよね。弱気になったら負けだ!!)

自暴自棄に陥っていた頭をふるふると左右に振り、ベランダの窓を開けサンダルを履く。

2畳ほどの小さなベランダでは、手塩にかけて育てた可愛い我が子達が心配そうな表情で夜風に吹かれていた。