クラウディアへようこそ


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(何だか……大変な一日だった……)

私はすっかり疲れ切って最寄りの駅からアパートへと帰る道すがらをトボトボ歩いていた。

クラウディア?元王妃?

現実とは思えぬ出来事のオンパレード、消化不良でお腹一杯である。

もらってきた契約書がなんの根拠もない夢物語に、ささやかな現実味を持たせているのが皮肉である。

(もしかして新手の宗教なのかも……)

騙されている可能性だって、まだ完全に否定できない。

入社した途端に掌を返されて無理難題を押し付けられた挙句に借金を背負わされてはたまらない。

こっちはアパートから追い出される瀬戸際なのだ。

どちらにせよ、今から別の会社を探す必要はあると思う。

だって、未だに信じられないんだもの。

私が元王妃で、あの一色社長と夫婦だったなんて……。

(家に着いたら鉢植えの雑草とりでもしよう……)

土の入れ替えでもいい。

とにかく気晴らしになるような別の何かに、一心不乱に取り組みたかった。

だが、そんな些細な希望も虚しいものとなってしまう。