「今の話を聞いてもなお入社の意志があるのならば、3日以内に返事を頂けますか?」
いっぺんに沢山の情報を与えられうんうんと唸り始めた私の様子を見かねたのか、賀来さんがしばしの猶予をくれる。
「……3日ですか?」
3日という日付は自分の身の振り方を考えるには短いようにも思えた。
「あなたはリリア様に違いありません。でも、今は色々と混乱しているでしょう?クラウディアに入社することになったら、こんなものでは済まされません。否が応でも自らの前世と向き合う必要があります。一色社長のことも含めてね」
一色社長の名前を聞いただけで、ドクンと心臓が大きな音を立てた。
クラウディア王国の話を聞く前と後では、その意味合いが大きく違ってくる。
クラウディア王国の元国王。
私の元夫……だという人。
「これ以上踏み込みたくないというなら無理強いはしません。あなたがこの世に存在していることを知られただけで、我々は十分満足しています」
賀来さんが夏八木さんに眼で合図を送ると、すかさず社名の入った封筒を渡される。
「こちら、会社案内と契約書一式です。必要事項に記入の上、次回来社時に持参して頂けますか」
夏八木さんが懇切丁寧に説明している間も、ポカンと口を開け呆けてしまう。



