「あのう……話の腰を折るようで申し訳ないのですが、今は亡きクラウディア王国が一色社長とどう関わってくるのでしょうか?」
私が知りたいのはクラウディア王国の豆知識ではなく、一色社長の正体なのである。
「そうですね。出来るだけ簡潔にお伝え致しましょうか」
せっかちだが結論を求めていることを告げると、賀来さんは苦笑いして応じてくれた。
目を細めて私に向かって微笑むと一息で告げた。
「……一色社長はクラウディア王国の国王、“レオンハルト・シュライツ・クラウディア”の生まれ変わりです」
……何の躊躇いもなくあっさり言ってのけたのは、それが事実以外の何物でもないと知っているからなのか。
生まれ変わり。
前世。
どちらもしっくりこないけれど、一色社長が元王族だということは何となく理解できた。
あの偉そうな態度は元国王ということなら合点がいく……気がする。