やばい。だめだ。 私の手が震えるのがわかった。こんなことやっても、お父さんとお母さんみたいになるだけ。 「ぁ、電車きたわ。また電話すんね!」 詩先輩の声が聞こえるのがわかった。 よかった…電車来てくれて。 「湯沢くん…どうして、詩先輩なんて…」 私は震える手を抑えながら、独り言のようにつふやいた。 .