涙が君を思い出す



名前を呼ばれた湯沢くんは、のそのそと机から起き上がりその子のもとへ向かう。


「ごめん…詩。」

「もうーまた髪の毛ボサボサで、さっきはあんなに凛々しかったのにねぇ」


「…うっるさいなぁ」


照れたように笑う湯沢くんはどことなく可愛らしい感じがして、微笑ましかった。


髪の毛をわしゃわしゃとなでる、詩(うた)…っていう子はやっぱり彼女なのかな。



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