この海にはたくさんの星がある
わたしはその中でも一際小さな光を持つものだ


こんなにたくさんの光があるならわたしひとり消えても平気でしょう


スピカ、アルタイル、できれば彼らのように生まれたかった


濃い闇のなか強い光を放つ彼ら


周りの星がわたしを馬鹿にする
追い立てる


彼らは選ばれたものなのだと


頑張ったって一等星にはなれないのだと



ならばなぜわたしはここに在るのか

一等星ばかり引き立てられ
わたしのような小さな星は見向きもされず

声をあげようが何をしようが見向きもされない


スピカは今日も澄まし顔

わたしは今日も泣き顔


わたしたちを作った存在は残酷だ
スピカの涙から作られたわたしは泣くことしか知らない


一等星には到底なれやしない

今日も変わらず輝くスピカを見てわたしは宇宙の彼方まで逃げ出したくなった