「そう言えば、今日藤田くんいないわねぇ〜。」
佐藤さんが腕を組見ながら立花さんに言う。
「今日は出張で明日には帰ってくると思いますよ!」
「あの、藤田さんって…」
「えっとね、山本さんの向かいのデスクのひとだよ!」
私の向かいのデスク……。
正直、物置ばなのかと思っていた。
ダンボール箱が3つ重ねられていて、他はいろんな種類のプリントが私の目の高さまで積み上げられている。
「ほんと、ゴミ溜めだよね〜。」
立花さんは微笑みながらも少しイライラしているようにも見えた。
「立花くんは綺麗好きなのよ!」
佐藤さんがまたもや情報をくれた。
指を指す方向には立花さんのとても綺麗に整理されたデスクがあった。
用事などは机に付箋をピッタリ角がつけていき、資料には色とりどりのクリップ。
一つだけ見違えるように綺麗だった。
私も、整頓は苦手な方だから頑張らないと…。
「そう言えば、そろそろ昼食だよね。一緒にどうですか?会社の食堂の場所教えますよ!」
「…そうですね、じゃあお願いします!」
私は佐藤さんを見た。
さすがに初日から男の人と食べに出るのは目立つかもしれない…。
いや、もう目立っているだろう。
だって、こんなにも立花さんはかっこいいんだから、そこらの女子が狙っていないはずがない。
「ご飯は若い2人で楽しみなさいな。おばちゃんはお弁当があるから遠慮しとくよ!」
佐藤さんがいてくれればと思ったけど、そうもいかないみたいだ。
「おごりますよ?」
「おばちゃんにかっこつけんといてーなっ!」
わはっはと笑うと佐藤さんはデスクに座って花柄のお弁当を取り出した。
「じゃあ、僕たちも行きましょうか!」
「はい!」


